まずは、空調とはどんなものなのか知る必要があります。
重要性や空調設備について詳しくチェックしておきましょう。
▶︎空調とは
空調とは、空気調和(Air conditioning)の略語になります。
私たちの周りにある空気の主な成分は、
多い順に窒素>酸素>アルゴンとなりますが、
他に呼吸などで発生する二酸化炭素、湿度で表される水蒸気(湿気)などが含まれます。
さらには埃や塵芥、花粉やカビの胞子、ウィルス、たばこの煙、建築材などから揮発する
ホルムアルデヒドなどの有害化学物質など、私たちの害になる物質も含まれています。
このような空気の持つ特徴を定量的に表す指標には、
温度、湿度、体積、比重、気圧、気流(空気の流れ)、清浄度(クリーン度)など多くの指標があり、
これらを空気条件といいます。
空調とはこれらの空気条件を、その空間の用途や目的に合わせて適した状態に調整することです。
私たちが心地良い環境を実現するためには、
温度・湿度・気流・空気の汚れなどを配慮しなければなりません。
空調は、これらをきちんと配慮し、コントロールするためのものです。
▶︎重要性
オフィスビルや商業施設は、不特定多数の人物が出入りしますよね。
行き交う人の数が多くなるほど、
室内の空気が汚れやすく、室外と室内の温度の調節が難しくなりがちです。
たとえば、夏場は、出入り口の扉が開く回数が多いほど、外からの熱気が中に入ってきます。
そこで、空調管理をきちんと行うことで、心地良い環境を維持し続けることが可能です。
逆に、空調管理が出来ていない場所では、
室内の空気が汚れてしまい、その場にいる人たちの健康に悪影響を与えてしまいます。
▶︎空調設備はどんなものか?
空調設備は、空気調和をするための建築設備のことです。
基本的に、熱源設備・熱搬送設備・空気調和設備の3つから構成しています。
それぞれの特徴を以下にまとめてみました。
・熱源設備:ボイラー・冷凍機・吸収礼温水機・ヒートポンプ・蓄熱槽などで構成する冷温熱源
・熱搬送設備:機器から機器、または機器から室内へと熱を搬送するための配管やダクトなど
・空気調和設備:水・冷媒・蒸気・空気との熱交換を行う
冷却・加熱コイルや加湿器・エアフィルター・送風機などで構成する
オフィスビルなどに設置されている空調設備は、
各フロアにスイッチがある個別空調と、制御室で管理するセントラル空調の2種類に分かれています。