皆さまはご自分が所有する、もしくは管理する建物の空調について、どのくらいご存知でしょうか。
そもそも空調と聞くと何を思い浮かべますか?
空調を詳しく知らなくても、直ちに支障がでることはないかもしれません。
でも空調とは、すなわち建物内の快適性であり、使う人や居住者の満足度そのものです。
空調にはどんな種類があり、自分の建物がどれに該当するのかを理解することで
ビル経営やビル管理が確実にレベルアップします。
ここでは、空調という言葉の基本的な定義から、システムの構成内容や設置方法、技術的な分類まで、
空調についてまとめて解説いたします。
空気調和の目的
▶︎空気調和とは?
空調には、空気を調和させるという意味があります。
調和というのは、空気の温度、湿度、気流、清浄度を、目的にあった条件となるように処理をし、
それを空間的に均一に分布させることをいいます。
「使う人やそこに設置される物にとって快適な空気環境をつくる」といいかえると、わかりやすいかもしれません。
▶︎産業用空調と保健用空調
空調は、「何を対象とするか」によって「産業用空調」と「保健用空調」の大きく二種類に分類されます。
産業用空調は、工場の機械やデータセンタのコンピュータなどの機能維持、
あるいは貯蔵庫で保管する物の品質管理、そこで働く人の労働環境の維持などを目的として行われます。
また保健用空調とは、一般的な建物の空調のことです。
オフィスビル、ホテル、病院、学校、商業施設などで働く人や居住する人が快適で健康に過ごせるようにすることが目的です。
保健用空調では、事務所、デパート、ホテル、病院など特定用途に利用される建物であり
特定建築物に該当する場合、ビル衛生管理法の建築物環境衛生管理基準で定められた空気環境基準を満たすように、
空気調和設備の維持管理に努めなくてはなりません。
▶︎空気調和システムとは?
空気調和システムは、室内の温度・湿度・気流・清浄度等の空気環境を最適な状態に保つことを目的として、
様々な役割を持つ複数の機器によって構成されています。
どんな機器があるかというと、冷房や暖房の熱をつくったりあるいは捨てたりする「熱源装置」、
つくった熱を運ぶ「搬送装置」、空気の浄化、冷却、加熱、加湿減湿などを行う「空調機」です。
これらの装置を組み合わせることで、空気調和システムが成り立っています。
次回様々な空調設備について詳しくご紹介していきます。